氷河の絶景と、日々そこにある(はずの)絶景。
今はアルゼンチンの最も南のほう、パタゴニア地方のエルチャルテンという町におります。
先日、エルカラファテという町から、「ペレトモリノ氷河」というところへツアーで行ってきました。
これまた絶景です。
パタゴニアは旅が始まる前からなんとしても行きたかったところで、
場所も遠いから時間もかかるし、物価も(ものすごく!)高いし、
バックパッカーは諦める人もいる中、私はこだわりを持ってこの地まで来ました。
もちろん“絶景”を見に。
南米で他に行きにくい場所といえば、
などがあります。
いずれも行こうと思うと、南米にいたとしても、時間とお金がかかる場所です。
私は、ガラパゴス諸島のイグアナや珍しい動物より、イースター島のモアイより、
パタゴニアの大自然、というのに惹かれまして、ここまでやってきました。
ここまでくると、また観光客の雰囲気が変わってきます。
なんとなく、それぞれの観光地には訪れる人の色があるような気がします。
マチュピチュ遺跡:
全世界から満遍なく大様々な人。バックパッカーからお金持ちまで。
ウユニ塩湖:
アジア人やバックパッカーが多い。人の数は他に比べるとそれほど。
現地の人、南米からの観光客が多い、バックパッカーだけでなく家族連れ、友達同士のグループなども多い。
欧米人が多い。一気に英語が聞こえる量が増える。自然を愛する欧米人と本気のアウトドアを嗜む人。物価が高いので裕福な雰囲気の人たちが多い。アジア人は何故か韓国人が多い。
くるタイミングによってもまた違うでしょうし、完全に私の主観ですので、悪しからず。。
前置きが長くなりました。
ペレトモリノ氷河は間近で氷河の崩落が見られたり、
氷河の上をトレッキング出来るということで有名です。
バスに乗って行くとこんな景色が現れます!
バスを降りて歩いてもっと近づけます。
ここまでは対岸から見ているだけでしたが、ここから船に乗って更に近づきます。
氷河の脇で降りますと、そこで各自持参したご飯でランチ。
私はパンとかハンバーガーに疲れてしまって、お寿司屋さんでテイクアウトをして持ってきました。
なんとも贅沢。笑
そしてクライマックスは氷河の上をトレッキングです。
足に氷の上を歩く為のスパイク(?)をつけてもらって挑みます。
こんな景色が広がります。
なんでも1ヶ月に2、3日あるかどうかの素晴らしい晴天だったそうで、本当に美しかった!
ブルーがキレイ!
そして最後は氷河の氷でウィスキーを飲みます!誰が最初に考えたんだろう。なんとも粋なツアーコンテンツです。
氷河の崩落もバッチリ見る事が出来ました!!
(写真はなく動画で撮りまして、以下の写真は崩落とは関係ないです…)
晴天に恵まれたことで、大変大変満足度が高い一日でした!
本当に素晴らしかった!!!
ツアーとしての完成度もかなり高くて文句なし。
氷河というこれまで見たことがないものだったので、これまた感動ひとしお。
山や砂漠は私の中で“静”の自然ですが、
滝は“動”の自然。
氷河はその真ん中を行くような気がします。笑
写真では伝わりませんが、音がするんです。
太陽の光でちょっとずつ溶けてキシキシいって、
崩落の瞬間は雷みたいな大きな音と共に湖に氷の塊が落ちて、湖は大きく波立ちます。
高さ5、6階建てのビルの大きさの氷が湖に落ちます。
水辺に近い岸は崩落の時、津波のような波がくるから近寄らないように、とサインがあるのですが、
それがよく分かります。ひとつ塊が落ちると高い波が岸まで届きます。
そして、氷河の上を歩いていると水の流れる音がします。
私たちが歩いている下を無数の小さな川が流れているらしいです。
そもそも氷河って冬の間に山の上で出来た氷がだんだん押されて移動して、湖まできて押し出されるってなんだかすごいですよね。
なんだか生きているみたいでとても不思議な感じでした。
話は変わります。
いくつか絶景スポットを訪れる中で感じたことがあります。
有名な観光地になるには色んな条件が重ならないといけないのだろうと思います。
要はただ絶景、とかだけでは有名にはならないのです。
例えばこの氷河、パタゴニアで3番目に大きな氷河だそうです。
1番じゃないんかい!と思いました。
何がこの氷河をこんなに有名にしているかというと、
・陸(平地)から氷河の目の前に近づける。
・動きが活発で崩落とかを見られるチャンスが多い。
ということらしいです。(ガイドさん曰く)
そういえば、ウユニ塩湖も1番大きな塩湖とかではないそうです。
なんせ塩湖なんて世界中にむちゃくちゃたくさん数があります。
調べてみたところ、何があの湖を特別にしているのかというと、
湖の1番高いところと低いところの高低差が50センチしかないことが特徴だそうです。
つまり、とてもフラットな湖でそこに水たまり程度の雨が降るので、鏡張りでしかも人が歩ける。
という状況ができる。
だってよく考えたら普通の湖でも風がなければ、鏡張りしますもんね。
何が言いたいかと言うと、絶景って思ったより身の回りにあるんじゃないだろうか。
ということです。
自然の絶景観光スポットって、ただそこにある景色が云々だけでなく、
・理想の条件の起こりやすさ
・人の訪れやすさ
が掛け算されて、有名な観光スポットになるのでは、と思いました。
もちろんそれだけじゃなくて、マーケティング問題や国のバックアップの問題もあると思います。
まぁここまでは私の稚拙な考察なので気にしないで頂いて、
結論は
人がたくさん集まる有名なところじゃなくても、絶景って色んなところにあるんじゃないか、
ということです。
南米まで来たって、あまり条件が良くなかったりしたら、
「これならあの日見たうちのウラ山の方がキレイだったな」って思う人も、
もしかしたらいるかもしれない。
もちろんここの絶景は見に来られて本当に良かったし、色んな人にオススメしたいけど、
同時にきっと私が住んでいる近くとか、よく通っている場所とか、
そう思って見ていなかったけど、色んなところに絶景はあるんだろうと思います。
南米まで来て壮大な景色を見て、
これからは周りのなんでもない風景を通り過ぎずに過ごしたいな、と意外な結論に達しました。
日々色んなところで絶景に出会えるかも…!
最後に。
日本は桜の季節なんですね。これはまさに絶景ですよね。
海外の人たちみんな見たいといいますが、
なんせ条件が1年のうちの10日程度しか合わないとなると、それはなかなか世界から人を呼ぶには難しい。。。
日本人にとっては、その希少性も桜に惹かれる理由なのでしょうね。
皆さんは是非、桜の絶景楽しんでください!