南米バックパック旅行記

30代既婚女子が仕事を辞めて南米バックパックをする旅行記。

無いことで見えること。

前回のブログでもお伝えしましたが、

現在プーノという町にいます。

 

ただ、ここへは町を見にきたわけではなく、

チチカカ湖という湖が目当てで来ました。

プーノはこの湖への玄関口のひとつです。

 

少しこのチチカカ湖の紹介をすると、

大きさとしては世界で11番目(とガイドさんは言っていた)

琵琶湖の約12.5倍(Wikipediaに書いてあった面積を私が計算した)

です。

といっても、その特徴は大きさではありません。

 

ひとつは、

とても標高の高い場所にあるという事。世界で1番高いところにある湖だとか。

標高3800mの場所にあります。

そう、まだ富士山より高いのです!!!

クスコ過ぎたらもう低くなると思ったのに。。

なんせ標高の高いところは、少しの運動で息切れするのでもう嫌になってきました。

例えばバックパックを担いで宿の三階まで階段で登ると、もうぜーぜー言います。

幸い私は、高山病の症状は出ていませんが、油断大敵。

薬はまだ手放せません。

 

もうひとつの特徴が、

湖に浮かぶ大小さまざまな島に古くからの暮らしを守っている人たちの存在です。

トトラという植物で作った浮島のウロス島や、私が今回訪れたアマンタニ島、

タキーレ島はユネスコ無形文化遺産にも指定されてるそう。

 

今回私は一泊二日で上記3つの島をまわり、

そのうちのひとつ、アマンタニ島の現地の人のお宅にホームステイする

というツアーに参加しました。

 

最高のツアーでした。

もともと結構楽しみにしていたツアーでしたが、期待以上でした。

 

ただ、“良い”と思うポイントは人それぞれ違うかもしれません。

万人ウケするのかはよく分かりません。

特に私好みだったのかもしれません。

私の好みだったのは、言いも悪いも含めて

色んなことを考えさせられる一泊二日になったからだと思います。

 

どの島も観光が収入の柱になっていて、

人々はたくさんの観光客を受け入れて、自分たちの生活を見せることで、

生活を守っています。

ただ、その古くからの暮らしを観光客は見にくるため、

極度の近代化は出来ないのだと思います。

若い人たちはあまり島におらず、都会に出て行くのだとか。

 

いったいどんな気持ちなんだろう。 

 

 

例えば浮島ウロス島はこんな感じ。

 

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島に上陸して。

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どんな風に島が作られるか説明があります。

説明の流れと説明グッズの完成度が高い…

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実際に生活しているお家のなか。ここで夫婦2人で生活しているとのこと。

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こういう小さな島が400だったかな?あるらしいです。

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ウロス島は少し複雑な気持ちになりました。

現代で浮島に住むのは明らかに不便。

たしかにしっかりした作りだけれど、火も使いにくいし、

常に湿気るから人体への影響もそんなに良くないのでは?と思ったり。

あと、コバエみたいな虫がものすごく多い。

 

元々は、スペインの征服から逃れる為に湖の上の島へ移り住んだらしい。

農業が出来るわけでもないから、今は観光が収入源。

あと魚はもちろん取れるらしいけど。

女性は観光客向けの織物を作って、男性は街に働きにいくのだって。

 

もう、そこに住まなくていいんじゃない?

と、大変大変勝手にそう思ってしまいました。

 

多分、というか絶対私が見えていない世界もあるし、

そこで暮らす意義や幸せもきっとあるだと思う。

というか、そこで住む人たちはそれしか知らないから

そうやって生きるしかないのかもしれない。

 

どこに生まれるかで、どの視点や視野で世界を見るか、

制限されることはどうしてもある。

でも、何が幸せは分からないな、とも思いました。

 

 

 

 

そしてホームステイしたアマンタニ島。

契約をしているお宅に滞在しているので、結構ちゃんとしています。

ご飯はどういうものをだすか、トイレに紙はあるか、

部屋は鍵をかけられるか、ブランケットは5枚以上あるか、

など、かなり細かくおそらく決められていて、

何かが足りていない場合はガイドさんにちゃんというように、と言われました。

 

アマンタニ島

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家までの道のり。ステイ先のおかあさん

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私が滞在させてもらったおうち。

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お部屋。想像の数倍キレイで居心地のいい部屋でした。

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頂いた昼ご飯。ベジタリアンのご飯です。

キヌアスープにチーズとジャガイモと野菜。

素朴だけどとても美味しい。

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アマンタニ島とタキーレ島と共通しますが、

まず島に降りて真っ先に感じるのはその静けさ。

人工の音がないのです。

 

風の音。

草がそよぐ音。

鳥のさえずり。

小川を水が流れる音。

たまに遠くに聞こえる子供の声や家畜の鳴き声。

 

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本当にそれだけしか聞こえないのです。

耳を澄ましだすと鼻も効いてきます。

風の匂い、土の匂い、草の匂い、

 

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あー、人工のものがないと本当は自然ってこういうことか、

と思いました。

 

島の中央にある小高い山に向かってなだらかな傾斜がある土地で、

車やバイクなどはもちろんアスファルトとかで舗装された道路なんてありません。

草が生えているあぜ道か、昔からの石畳みの道です。

 

 

 

到着後、部屋から外を見ていたり、

山の上までトレッキングしたりした時に、

自然と一体になったような、そんな錯覚をしました。

 

山登り中。(今回一体どれだけ山登るんだ!)

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あまりにも静かな場所で普段は聞こえない音が聞こえます。

 

もうひとつ素晴らしかったのは、星空。

これがものすごかった!

基本的に島の道に電灯はありません。部屋にあるのも豆電球ひとつ。

ソーラーパネルが各家にあり、これで照明用の電気を確保しています。

 この星空の素晴らしさを文章にする才能がないことが残念でなりません。

まさに、満点の星空でした。

そしてその静けさと相まって、

なんか星の音とか聞こえるんじゃないかと思ったくらい。

私の部屋はちょうど横になると窓から星空が見えたので、

カーテンを全開にして、満点の星空を見ながら眠りました。

暖房もないのでとても寒いのですが、幸せで心はポカポカでした。

 

この一泊二日で最も強く感じたことは、

色んなものを引き算をすると、いつも見えないものが見えてくる、

ということ。

 

灯がないと、降るような星が見える。

テレビや携帯がないと、人と話をする。

多くの調味料や調理器具がないと、素材の味を噛みしめる。

高い建物がないと、空が大きくなって遠く遠くまで見渡せる。

車や機械がないと自然の音が聞こえる。

色んな引き算をすると人間も動物になれる

そうすると自然と繋がることができる。

 

そして、どんどん引き算していくと、

自分の大切なものがさや譲れないものが見えてくるような気もします。

今の日本はあまりにもなんでも手に入るから、

何が自分にとって1番大切なものなのか、よく分からなくなるように思います。

 

私にとってとても大切な時間となりました。

 

 

 

さてさて次回予告です。

明日の朝からボリビアへの大移動です。

とうとう楽しかったペルーともお別れ!悲しい。。

一気にウユニ塩湖まで向かうため、バスを乗り継ぎ合計24時間の移動となります。

しかも、かなりの悪路だとの噂。

無事に辿り着けますように!!!

 

 

今日の最後はタキーレ島の上にあった標識。

色んな都市までの距離と方向が書いてあります。

東京遠い!(1番下見えるかな…)

思わずしばらく東京の方角を見てしまいました。

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